外国人や留学生が意外と知らない日本の水事情
今回は外国人や留学生が意外と知らない日本の水事情をご紹介いたします。
日本の水事情は一般的にも、あまり知られていないことも多く、もしかしたら日本人も初めて聞く内容があるかもしれません。
日本の水事情を掘り下げていけば、とても面白いことに気づきます。
①水はどこで作られているの?

日本で使用している水はどこで作られているのでしょうか。
皆さんのご想像どおり、水道水のほとんどは雨や雪が降り、川を流れるものが元になります。
そして、その川から取水して、浄水場という施設に運ばれます。
また、地域によっては川が流れていない場所もありますので、山の中に配水池(はいすいち)と呼ばれる池が作ってあります。
川が流れていない地域では、この配水池に雨や雪の水を一旦溜めておきます。
川や池から水を汲み取り、浄水場と呼ばれる施設で綺麗な水に変え、別の施設に運ばれ、溜めておくことになります。
②水はどこを通って家に届くの?
普段、家の蛇口をひねれば水がでますよね。
溜めておかれた水は当たり前のように出ますが、そこまでの過程は謎です。
実は浄水場で綺麗になった水は施設で溜めると同時にすごく強い圧力をかけて道路の下を走る管に流されます。
この圧力が重要で、弱いと蛇口をひねっても水が出ません。
電気式のポンプを使って水圧をかけて管に流すため、見た目では分かりませんが、蛇口の根元まで強い圧力の水が届いているのです。
もしかしたらニュースなどで観られた方もいらっしゃるかも知れませんが、道路の下を走る管が割れたら噴水のように水が吹き出すのは圧力がかかっているからなのです。
③日本の水道水は安全?

結論から言うと、日本の水はとても安全です。
国が定める基準値は世界でも上から数えたら10位くらいの厳しいものに設定されているからです。
一部の学者の研究では、世界中で水道水をそのまま飲める国は10〜15カ国くらいしかなく、日本もその1カ国に入っております。
ただし、先ほどの話にあった道路の下を走る管の老朽化が激しいという課題もあります。
日本の水道の管の多くは約50年前に整備されておりますので、今あるものは順次交換していく必要があります。
しかし、水道水を管理する自治体にはその管をすぐに交換できるだけの予算がなく、安全を優先しながら毎年少しずつ交換しています。
④流した水はどこに行くの?
家で使用した水は、下水道と呼ばれる管に流されます。
その流された使用済みの水は浄化センターと呼ばれる処理施設に運ばれます。
浄化センターは、汚れた水を綺麗にして自然に戻す作業を行う施設です。
あまり積極的には公開されておりませんが、この浄化センターでは汚れた水を微生物が分解して綺麗にしております。
その技術は、世界でも最高級のものと言われており、こちらも国が定めた厳しい基準値になるまで綺麗にしており、普段の生活の中で流れていても気付くことはありません。
⑤上水道と下水道の背景

私たちが蛇口をひねったらすぐに出てくる綺麗な水や、使用後に流れていく汚れた水は、大きなサイクルで環境の中に溶け込んでおります。
特に日本が水にこだわっている背景として、それまで井戸水や山水を当たり前のように飲んでいた国民が次々と病気になりました。
よくよく調べてみると、井戸水や山水には目に見えない様々な菌が入っており、人間の体を蝕んだことが原因でした。
そこで国が各自治体に補助金を配り、安全な水道水を提供できるよう整備しました。
しかし、水道水が安全に供給され始めたら、国民が使う水の量が増え、使用後の水を自由に垂れ流す現象が起きました。
飲み水は綺麗になって健康被害は少なくなりましたが、同時に汚れた水が環境を汚染するようになったのです。
そこで、次に国がすすめたのは下水道の整備でした。
したがって、日本の水道管と下水道管の作られた時期は異なることが多いのです。
まとめ
今、日本では水道管の更新時期が一斉に訪れており、20〜30年後には下水道管の更新時期も訪れます。安定した水の供給と安全な汚水の処理が当たり前のような社会ですが、その当たり前は日々仕事に取り組まれている自治体の皆さまのおかげです。
世界でも上位に入るほど安全な水道水や汚水処理ですが、料金の水準は世界でも上位に入るほど低く設定されております。
水もまた燃料などと同じように貴重な資源であることは言うまでもありません。
このような当たり前のことに時々目を向け、感謝の気持ちを忘れずに水を使ってみるのも良いかもしれません。

search
language








